十三日間
最初のうちは、一歩間違えば死を招くかもしれないと思っていたのだが、それは杞憂だったようだ。
俺たちを教育している連中は、せっかくここまで教育した者を些細な諍いで失うのを良しとはしなかった。
俺たちは24時間監視されていたから、不穏な動きをする者は、隔離されて教育を続行される事となったからだ。

上の言うことを素直に聞くか否か。

それも、連中にとっては見定めておかねばならぬ事だっただろう。
今後、どのように使える人材となるか、その配置場所を考えるためにも。

俺は、どのように振る舞えば、一番生きていき易かったのだろうか…?

もっと、出来ない振りでもしておけば、後の人生は大きく変わっていたことだろう。

……だが、それは後悔しても始まらない。
ここまでの人生で、俺が後悔できることはない。

俺は、俺自身が出来る限り、精一杯生きてきた。


生き抜いてきた…。
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