囚われジョーカー【完】



叔父さんは、微細にだが眉を寄せもう一度真剣な表情と声色で「菫」と私の名を呼ぶ。



逃げることはしないと決めたのなら、この場を曖昧に濁すことは三浦さんに対しても裏切り行為になるんじゃないか。


そう思えば、私の口は簡単に開き言の葉を紡ぐ。




「…三浦さんの、弟の方と今親しいから。」

「……突っ込むけど、それってちゃんとした付き合いなの?」

「…それは…、」



こういう所で嫌に勘が鋭い叔父さんは、私を真っ直ぐに見下ろしてくる。


゙ちゃんとした付き合い゙そう聞かれれば、答えはNOだ。現に、私と三浦さんは恋人ではない。それらしい言葉は言われたものの結局はまだである。



が、体の関係は確かに持っていた。この時点でちゃんとした付き合いのわけがない。


返答に一瞬の迷いが出来た私に叔父さんは、小さくだが重たい溜め息を吐き出す。




< 254 / 393 >

この作品をシェア

pagetop