囚われジョーカー【完】



不意に背後から掛けられた声は、聞き覚えがあって。近寄ってくる足音も、何か喋っている声も今の私の胸を跳ね上がらせるには最適だ。


隣に並んでいた明日香さんが、片手を上げて歯を見せて笑い。




「やっほ、清水ちゃーん!」

「うーっす。」



間違いない。

――――清水くん、だ。




ギギギ、と歪な音が出そうなほどガチガチと首を回していけば。その姿はもう真後ろに来ていて。



「篠宮も、やっほ。」

「……こん、ばんは。」


清水くんは私の顔を上から覗き込むように少し前屈みになっている。

見上げれば、まあまあな至近距離に無邪気な笑顔。にこりと効果音が付いていそうな微笑みには優しさが溢れている。





「清水ちゃん、もう大丈夫なの?」

「もうへーき。」

「そりゃ良かったね。」


言葉を交わす2人の横で、私は小さく深呼吸を繰り返す。




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