。*雨色恋愛【短編集】*。(完)

次の計画

岡本優理花≪おかもとゆりか≫。

俺のクラスの担任。

結愛をいじめていた奴。

次は、あいつー…




「岡本先生っ」

「あっ、儚くん」

「先生の旦那さん、すっごく若いねっ」

「えっ?あたしの旦那は、もう40過ぎたおじ

さんよ?なにいってるの」

「えっ…ボクが見た、先生の旦那さんは、20

代の若い人だったよぉ?」

「えっ…」

岡本の顔が青ざめた。

…ゲームはスタートしている。

「その人は…どんな人?」

「う~ん…えっとね…あぁ、あの人!!最近入

ってきた数学の先生みたいな人っ!!」

「えっ…」

あははははははっ!!

可笑しくて、笑えてくるよ。

まぁ、声には出してないけど。

あっ、俺、顔がにやけてないかな。

「じゃあ、先生、あの先生と浮気でもしてる

の?それはマズイよね~」

どんどん青ざめていく。

「…そんなわけないでしょ。教師をバカにし

ないで」

「…ふ~ん」

「ほっ…ほら、もう帰りなさい、儚くん」

「はぁい…あっ、ねぇ先生」

「なに?」

「ボクとデートしよっ」

「えぇ?」

「いいでしょ~!!ボク、先生と遊んでみたい

っ」

「でも…」

「なんで~?ボクはダメで、数学の先生はい

いの?」

「…違うけど」

「じゃあ、決定ねっ。土曜日、駅前で1時に

待ってるよ、先生」

「あっ…ちょっと…」

「あっ」

去り際、振り返り、作り笑顔。

「先生、ボクとのデートが楽しかったら、秘

密、教えてねっ」

「えっ…待って、儚くんっ!!」

俺…気持ち悪っ。

【ボク】

とかない。

こんな姿を、結愛にみられたら笑われるのか

な?

それとも、気持ち悪いって、俺から離れるか

な?

でも、結愛なら、そんなひどいことはしない

よね。




結愛、こんなことを、早くやめたいよ。

早くやめて…結愛のもとに行きたいよ。

結愛…やっぱり俺は…

結愛が大好きだよ。
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