。*雨色恋愛【短編集】*。(完)

種明かし

「鈴木悠莉さん」

「…?はい?」

「ちょっと、お願いがあるんだ」

「えっ…」




「俺と遊ぼうよ」




俺のその誘いから、俺と鈴木はよく遊ぶよう

になっていた。

もちろん、息が詰まりそうなのを、我慢して



そして、雰囲気的に、俺らは付き合ってるみ

たいになった。






「なぁ、悠莉?俺のこと、好きか?」

「もちろん。当たり前じゃない」

「じゃあ、俺のためになにができる?」

「えっ…なんでもできるに決まってるじゃな

い」

「じゃあ、俺への愛を示すために死んでって

言ったら死ぬの?」

「うん。それが、儚の望みなら」

「ほんとに?」

「当たり前よ」

…俺の勝ちだ。

こいつは完全に、俺に惚れた。

俺の魔術にかかったんだ。

「じゃあ、死んでよ」

「えっ…」

「俺への愛は、悠莉の命に代えられるんでし

ょ?」

「えっ…」

「俺のこと、本気で好きなら、死ぬぐらいの

覚悟見せてくれる人じゃないと、一緒にいら

れない」

「…儚がそういうなら」

「じゃあ…死んで?」

にっこりと笑った。

俺はいつも、なにかワガママを言って、鈴木

が聞いてくれた時、いつもこの笑顔を見せて

いた。

これも…魔術のひとつ。

これで、今の俺のワガママを叶えようと、あ

いつは死ぬはずだから。

いつも、こうやってきた。

今までの3人だって。

これで、女子たちへの復讐は最後。




「鈴木悠莉、さよなら」




俺のゲーム、クリア。
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