。*雨色恋愛【短編集】*。(完)
朝起きたら、お兄ちゃんは本当にいなくなっ

ていた。

お兄ちゃんが、昨日の最後に座っていた、机

の回りを見る。

…と、手紙が置いてあった。

「う~んとぉ?…楽しんでこいよ?」

あたしに、メッセージ残してくれたんだ。

お兄ちゃん、優しいじゃん。




「行ってきます」

家を出る時、お兄ちゃんの部屋の前で呟いて

みた。

…ありがと。

普通に歩いて、時間ピッタリに着く時間に、

家を出たけど、楽しみすぎて、歩くのが速か

った気がする。

「奏」

奏らしき背中を見つけて、声をかける。

こちらに振り向いた奏は…

本当にカッコ良かった。

「奏歌、おはよ。可愛いね、その服。似合っ

てるよ」

「…奏こそ。カッコイイ」

自慢の彼氏だよ…

今日は、お兄ちゃんに選んでもらったミニス

カートを中心にコーディネートした。

…可愛いって言ってもらえて嬉しいな。

「…けど、ミニスカートは嫌だったかな。他

の男に見せたくなかったからね」

「ちょっ…」

そんな…恥ずかしいこと。

「じゃあ、行こっか」

はいって、手を出された。

で、来たのは映画館。

見るのは、純愛ストーリー。

あたしは楽しみでたまりません!!

奏は…

たぶん、眠くなってると思う。

…幸せになって~!!

死なないで~!!

「…ん~…」

やっぱり、奏は寝ちゃった。

「…おやすみ」

メガネをとってあげた。

寝にくいと思って…

「…えっ…嘘っ…」

奏、メガネとっただけですごくカッコイイん

だけど…

…カッコイイ。

髪をあげてみる。

「どうしよ…カッコ良すぎる」

あたし…映画に集中できない。

だって、奏がカッコ良すぎるんだもん。




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