。*雨色恋愛【短編集】*。(完)

-勉強-

あたしは、もちろん部活停止になった。

だって、手首が使えないんだもん。

その代わり、手首にはたくさんのブレスレッ

トがついている。

梨那がくれた、3つのブレスレットに、自分

のお気に入りのブレスレットもつけて、目立

たないようになった。

でも、やっぱり部活やらないと、暇でしょう

がない。

中学からずっと、部活しかやってなかったか

ら、他の趣味がない。

あ~、むなしい。

やることないって、暇。

「勉強でもやろうかな~」

奏は、特進クラスには絶対に入らないって言

ってた。

来年は、奏と同じクラスにならないように、

勉強しようかな。

奏が嫌いなんじゃない。

けど、奏の近くにいるのは、辛いから。

辛い道は、行きたくないものでしょ?

はぁ…

旧館の図書室にでも行こう。

勉強に集中できるし。

誰も来ないから、気も楽だし。

あたしがバスケにしか、頭を使ってないこと

は、結構有名なことらしくて。

なんか、あたしが、1年でバスケのレギュラ

ーなこととか。

先輩たちを、男子と倒したこととか。

噂でまわってたらしく。

そんなあたしが、バスケをやらずに、勉強な

んかしていたら、変な目で見られるっ…

それは嫌だから、やっぱり…旧館の図書室だ

よね!!

奏も…もう来ないし。

勉強しに行こ。






< 201 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop