。*雨色恋愛【短編集】*。(完)
「奏歌ちゃん、行こっ!!」

「尚斗クンは?行かないの?」

「尚斗、いつも運動やる時は、参加しねぇん

だよ」

「尚斗クンもやろ!!楽しいよ♪」

「…やる」

「じゃあ、行こっ」

昼休みになって、バスケをやりに、体育館に

向かう。

一応…ホームルームは終わりました。

本当に奏が、隣で、すごく疲れたけど、挨拶

もしなかったし、目も合わなかったから、あ

たしも奏も、お互いを気にしないようにすれ

ばいいんだと思う。

休み時間は、尚斗クンに言われたように、す

ぐふたりの席に行ってるし。

体育館に向かうと、やっぱり誰も遊んでなく

て、あたしたちの貸しきり。

「よ~しっ!やるよ!!」

簡単にチーム決め…ということで、決まった

チーム。

あたしは、夏喜クンも尚斗クンも一緒。

「お前っちチーム、めっちゃ強いしっ」

相手チームの男子に、文句言われたけど、気

にしな~い!!

なにか、仕組んだってわけじゃないし。

…そういえば、あたし女子一人じゃん。

まぁ、気にしな~い。

どんどんシュートが決まる、あたしたちのチ

ーム。

でも、決めてるのは、夏喜クンと尚斗クンだ

け。

あたしは、ゴール前でチャンスでも、誰かに

パスしてしまう。

「奏歌ちゃん、決めてっ」

ゴール前で、夏喜クンにパスされて、シュー

トを打てる体勢に入る。

「奏歌ちゃんっ」

息を切らした尚斗クンにも、声をかけられ、

シュートを打つ。


―シュパッ


< 213 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop