。*雨色恋愛【短編集】*。(完)
結局、奏には聞くことができなくて、休み時

間になった。

あたしは、いつも通り、尚斗クンの席に向か

う。

「奏歌ちゃん、大丈夫だった?」

「うん。大丈夫だった」

「なんで!?」

教室中に、叫び声が響く。

「なんで、理恵が教科書忘れた時、他の奴に

見せてもらえって、断ったくせに!!あの女の

時は、自分から見せてやんのよ!!」

叫んでるのは、理恵。

叫ばれてるのは、奏。

「別に?お前は、隣に違う奴いるだろうが。

奏歌は、隣いねぇんだから、しょうがねぇだ

ろ」

「なんでよ!!あたしのは、お前って…ほとん

ど名前で呼んでくれないくせに!!あの女のこ

とは、いつも名前で!!あたしの時だって、都

合のいい時だけしか、名前で呼ばないじゃな

い!!」

「うっせぇな。俺とお前が、付き合ってるわ

けでもねぇのに、お前につべこべ言われる筋

合いとか、全くねぇんだけど」

「なんで!?なんでよ!!理恵、あの女嫌い」

「んなこと、勝手に思っとけ」

「バカ!!」

そう言って、泣き叫んでいた理恵は、なぜか

こっちに向かってくる。








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