。*雨色恋愛【短編集】*。(完)
「…言わせてもらうけど」

あたしの、いつもより一段と低い声で、クラ

スが静かになる。

「理恵!!あんたは、あたしに何がしたいわけ

なの!?あたしと奏を別れさせたのは、理恵で

しょ!?これ以上、あたしの人間関係の邪魔、

すんじゃないよ!!」

理恵の胸ぐらを掴んだあたしを、マツが止め

てくる。

「カナ、殴っちゃあかんで。あのクソ女と、

一緒になってまう」

「…うん」

マツの言うことも、わかる気がして、理恵を

離す。

「奏!!あたし、奏のせいで、苦しんだんだ!!

奏の気まぐれに…悩まされた!!さっきの、最

後の落書きで、今も考えてた!!悩んでた!!な

んの意味があって、あんなこと書いたのかわ

からないけど…それに悩まされる、あたしの

気にもなってよ!!」

…辛くて。

…悩んで。

…それでも、

「今だって、諦め切れない自分が、バカらし

いよ!!」

それでも…

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