。*雨色恋愛【短編集】*。(完)
「楢崎~」

あたしと俊兄、そして翔と、龍さんのところ

に来た。

詳しく言うと、龍さんのマンション。

翔を紹介するため。

「おいっ、翔。挨拶」

「榎樹翔ですっ」

いつも通り、挨拶まで可愛いね~。

「…榎樹?誰だ?」

「え~っとね、今日来た転校生。で、碧の親

戚だな」

怜さんが、あたしの時と同じく、落ち着いて

解説。

「俺の親戚です。実力は…あります」

「まじだぜ。俺に殴られて、泣かなかったも

んな~」

はははははって、俊兄が笑う。

あたし、俊兄に殴られたことないな。

うちのクラス、全員殴られてるのに。

お母さんに言われてるのかな?

「…お前、喧嘩に自信あるか?」

「俺…」

翔がいきなりあたしの方を向く。

そして、にこっと笑って…

あたしを、ギュッと抱き締めた。

「碧と一緒なら、頑張れます!!自信、ありま

す!!」

……………可愛いけどね。

「翔クン?もうそろそろ、離れねぇと…」

「離れるからっ!!殴んないでぇ…」

「ならよし」

「………翔、お前幹部に入れ」

「はいっ。龍さん♪」

「……幹部は、お前ら1年4人。2年は、俺

ひとり。3年生は、怜さんと優さん」

「翔、よろしくなっ」

「翔~、お前いい女知ってんなら、紹介しろ

よなっ!!あっ、紹介しようか?」

空と海の挨拶。

海…

翔を変な方向に連れてくな。

「俺、最高にいい女知ってるから、遠慮しと

くね」

にこっと、あたしの方を向いた。

……………あたしか?

にこにこっと、あたしの方に来た、翔。

「耳、貸して?」

「ん?」

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