。*雨色恋愛【短編集】*。(完)
あたしも…寝るのが好きだと思った…?

「右は、怜さんも優さんも、空も海も翔も、

俊さんも使えるから…他の奴らと同じ、嫌だ

ろ?」

それとも、あたしは潔癖性…?

でも、それは正解かも。

しかも、寝るのも好きだしね!!

まっ、安心して寝られれば…の話。

「ありがとうございます♪」

「………おぅ」

男のあたしに言われても、照れる?

照れ性?

てか、お礼言われるのに慣れてない?

「俺…今から寝ても、いいですか?」

「いいけど…10分で起こすぞ。今から、重要

な話あっから」

「はい」

……………大事な話?

喧嘩?

だから、俊兄も…呼ばれてる?

あっ、でもいつも、俊兄いるか。

「碧。起きて?」

そう可愛い声で、あたしを起こしたのは、翔

だった。

「龍さんたちが、話し合いするって」

「ん~…わかったぁ」

寝起き辛~い…

まぁ、話あるって聞いてたことだし、聞かな

いわけにはいかないよね。

寝室を出るとすぐに、広場みたいな大きなと

ころ…があって、そこの中央にある、大きく

て、豪華な、座り心地の良さそうなソファー

に、龍さんが座ってた。

「碧…座れ」

龍さんの隣は空いていて、龍さんは、そこを

手で叩いていた。

あたしはそこに座った。

「…お前、俺と組むの嫌か?」

「は?なんの話ですか?」

「お前、俺に…背中、任せられるか?」

「……はい」

だって、龍さんは、金龍。

その強さなら、誰だって任せられる。

「じゃあ、この計画は決定だ。隣町で最近で

きたグループが暴れてる。俺らは、阻止しな

ければならない」

「……ふ~ん」

阻止ね…

ってことは、喧嘩!?

「喧嘩すんのは、俺らふたりだけだ。余分な

心配も、怪我も防ぎたい」

「龍さん…」

龍さんの喧嘩の理由って、誰か…ううん。

近くの人、遠くの人も幸せでいてほしいから

ですか?

金龍の強さは…それですか?

「龍月の名にかけて…俺らの幸せを守れ」

少し左の腕の袖をめくった。

それから、龍さんの龍のタトゥーが。

よく見ると…月も描かれている。

…龍月のマークだ。

「…はい!!」

金龍の強さが幸せなら…

銀龍の強さは、自分の自信、親父に認めても

らうことで…

そして、金龍を助けること。

龍さんを守ろう。

信頼してもらえるように――…
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