。*雨色恋愛【短編集】*。(完)

微妙な変化

「結愛、それどした?」

「あぁ、これ?」

結愛が、いきなりカメラを持って学校に来た

から、びっくりした。

今日、なにかの記念日とかなんか?

「写真とりたくて、お父さんに買ってもらったの」

「なんの写真とんの?」

「え~とね………儚と写真がとりたくて」

今の間、なんだよ。

恥ずかしかっただけ?

「そっか。じゃあ、いっぱい写真とろ~な」

なんか変だと思ったけど、触れちゃいけない

ような気がして、やめた。

どうしたんだよ…結愛。

俺に話してくれよ。

俺、彼氏だろ?

俺…頼りないか?




その日は、たくさん2人でたくさん写真をと

った。

「結愛、また明日な」

「あっ…うん。またね」

いつもより、元気ない。

大丈夫なのか…結愛。

今日いちにち、結愛は変だった。

いつもは、にこにこしてるのに、教室でも浮

かない顔していた。

「結愛…」

結愛、今、君の心はどこにあるんだよ。

俺のとこには、結愛の優しさが届かない。

どうしたんだ…結愛。
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