。*雨色恋愛【短編集】*。(完)
だって、フラれるって思ってたら切ない声に

なるよ…

「…坂下」

「あぁ…ヤバイな」

ヤバイ?

あたし、そんなにキモかった?

「奈央、うま~い!」

ギュッと抱きつかれて、彩希に言われる。

「うまくないよ…」

「マジ、うまいよ。夕暮」

ちょっと照れくさそうに言う、坂下クン。

「褒めてくれてありがと」

「へっ…でも、そんなんじゃ、絶対合格する

とは言えないと思う。もっと頑張れ」

坂下クン…

もしかして、応援してくれてる?

「うん!頑張る!!」

「じゃあ、次は…応援かな。学園ストーリー

だったら必出よね!!じゃあ、坂下!あんた、

練習付き合ってくれるよね?」

彩希…

顔怖いですよ…

「あぁ…わかったよ」

はぁ…という顔。

彩希が怖いからだよ!!

「なんて言うの?」

「坂下クン…頑張って。あたし、応援席で見

守ってるからって言って!!」

「えぇ…うん」

深呼吸して…

「坂下クン…頑張ってね。あたし、応援席で

見守ってるから」

「…ヤバイ!!ヤバイよね、坂下!!」

「ヤバイかどうかは言えねぇけど、マジで声

優狙えると思うよ」

「だよね!奈央、頑張ってよね!!」

「うん!頑張る」



< 34 / 307 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop