接吻ーkissー
悲しいと嬉しい-tinged-
学校から帰った私は、ソファーに腰を下ろした。

由良の言葉が頭の中を支配する。

――彼氏と別れて、わたしを選んで

そんなのできないよ…。

竜之さんも由良も、大切な人だからできないよ…。

そう思ったら、泣きそうになった。

悲しくて胸が裂けそうと言うのは、本当によく言ったものだと思った。

だって、本当に裂けそうなんだから…。

そう思っていたら、携帯電話が鳴った音がする。

ポケットからそれを取り出すと、今きた着信の確認をした。

「――竜之さん…」
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