接吻ーkissー
そう、竜之さんだった。

「――もしもし…?」

「おう、璃音か」

達之さんの声を聞いた瞬間、ギューッと胸を強く締めつけられた。

「今、大丈夫か?」

そう言った竜之さんの声か嬉しそうに弾んでいる。

「――大丈夫、ですよ」

私は答えた。


服に着替えて、竜之さんが待つバーへと足を向かわせた。

「おう、璃音!」

やってきた私に、竜之さんは待っていたと言うように手をあげた。

嬉しそうな彼の様子に、この気持ちを悟られないようにしようと私は思った。
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