接吻ーkissー
立たされた足はフラフラとしていて、おぼつかなかった。

自分でも歩いているのかどうかわからないくらいだ。

竜之さんに腕をひかれるまま、外へと連れて行かれた。

あ、夜風が冷たくて気持ちいい…。

「ったく、あのバカ者が!」

菊地さんが怒鳴った。

バカ者って、シンさんのことかしら?

「璃音に酒を飲ませて、一体何を企んでいたんだか…」

竜之さんは大きく息を吐いた後、髪をかきあげた。

「璃音は俺のだっつーんだよ!」

そう言った後、竜之さんはガシガシと頭をかいた。

髪がクシャクシャになった。

あっ…少しだけ不謹慎な気もするけど、何かかっこいいかも。
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