接吻ーkissー
「鈍感め…」

由良が毒づくように呟いた。

えっ、鈍感?

「自分から会って気持ちをぶつけろって言ってんの!」

今度は上手に由良のチョップから飛び退くことができた。

って、
「ええっ!?」

自分から会って気持ちをぶつける!?

「その人も璃音のどこを見て好きになったんだか…」

呆然としている私に、由良は呆れている。

自分から会いに行くなんて、
「できなかったら、また璃音を襲うよ?」

由良が言った。

それは、もうごめんだ。

「わかった」

やっぱり、会いに行くしか他がないのかも知れない。
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