接吻ーkissー
「菊地さん、璃音ちゃんいじめはこれくらいに…」

シンさんが止めに入った。

「どこがいじめてると?」

そう言った菊地さんに、
「えっと…」

シンさんに返せる言葉はなかった。

いや、菊地さん。

はっきり言って、いじめてますから。

私、いじめられてますから。

さっきまでピアノを弾いていたその姿はどこへ行ってしまったのだろう?

本当にシンさんの言う通り、菊地さんはSっ気があると思う。

いや、気じゃないな。

もう本格的なSだ。

「まあ、璃音の顔に跡がつくのはごめんだ」

そう言って菊地さんは指を離してくれた。

跡がつくって、やったのはあなたでしょうが!
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