接吻ーkissー
菊地さんは、上だけじゃなくて下も裸だった。

いつ服を脱いだのよ…。

彼は枕の下に手を伸ばすと、ガサガサと何かをやったと思ったら戻した。

「痛いかも知れないけど、少し我慢な」

何をですか?

そう言いそうになった時、
「――いっ…!?」

下半身を襲ったのは、さっきのとは程遠い鋭い痛みだった。

「痛い…!

いやっ…!」

腹痛とか生理痛とか、そんな優しいものじゃない。

とにかくひどくて、躰が真っ2つに引き裂かれそうだ。

「――璃音、もう少しだから…」

そう言っている菊地さんの顔は、苦しそうだった。
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