接吻ーkissー
――ああ、繋がっているんだ…。

彼の苦しそうな表情を見たら、私はそう思った。

「――ッ、入った…」

菊地さんは、大きく息を吐いた。

「――んっ…菊地、さん…」

「――璃音…」

耳元でささやく声が、シン…と躰の中へと染みて行く。

これが、1つになることなんだ。

「――好きだ」

そうささやいた菊地さんに、
「――私も、好きです…」

私は、返事を返した。

菊地さんが優しく微笑んで、額にキスを落とした。

一生、忘れないと誓った。

大好きな人と結ばれた今夜の出来事を、忘れないと誓った。
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