シンデレラルーム 702号室
あははっと無駄に明るく笑ってみせる。


本当は泣きたいよ。


きっと悪あがきでしかないのに、こんなふうにしか出来ない自分が惨めで……




「…そこまで言うなら、試されてやってもいいよ」


「──えっ?」



有坂くんは眼鏡を外しながらそう言った。


綺麗な二重で切れ長の瞳があたしを捉えて、心臓がドキンと大きく跳ねる。



「それでもし俺が堕ちなかったらどうすんの?」


「その時は……潔く諦める」



まっすぐ目を見つめて宣言すると、有坂くんはふっと表情を緩める。



「…後悔しても知らないからな」


そう言って、彼はあたしに顔を近付け…

唇が重なり合った。



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