あやとり

直哉が大学生時代、何度か私のバイト先に数人と姿を見せた、細身でロングヘアーの綺麗な人が直哉の前の彼女だ。

きっとその人と比べると私はとても幼いのだろう。

そうなる魅力もないのかもしれない。

わたしも正直、まだしなくていいと思っていた。

時々見え隠れする不透明な部分を、直哉に感じていたから。

自分の容姿にいまひとつ自信が持てない私は、直哉みたいに容姿で苦労したことないと思われる男を好みつつも、どこかで怯えている。

本気になってくれることはないだろうという不安が付きまとっている。

そんな胸のうちを知られたくはないから、わがままは言えても不安は口に出せないのかもしれない。

胸の中では、少しのことでもかなり感情的になりやすい。

でも、それを表情に出すことに慣れていない。

私より感情を出さない人は、優ちゃんだ。

私は優ちゃんに対しては、感情が出てしまう。

両親やクラスメイトの前では出せなくても、彼女の前では曝け出しているような気がする。


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