あやとり

優ちゃんは誰に見せているのだろう。

彼女が両親に甘えたりするところを見たことがない。

田村さんとあんな形で婚約破棄したときでさえ、家族の前では平静だった。

本音を話せる親友と呼べるような女友達がいるようにみえない。

彼女が友達を家に呼んだところを見たことがないのだ。

でも、それは私も同じだった。

姉妹でありながら、歳が離れているせいか、私は対家族以外の優ちゃんをまったく知らなかった。

優ちゃんが他の人と親しい姿を私に見せていないことが、姉妹としての私の位置を確保できたのだろう。

姿は似ていなくても、変なところで私たちは似ているのだ。

それがこの前の、甲斐君といるときの優ちゃんを見た瞬間、もやもやと異様な感情が溢れ出てきた。

田村さんと並んだ優ちゃんを見たときには、その交際の長さを聞いても特に感じなかったのにだ。

優ちゃんをあんな表情にすることが出来る甲斐君のほうが私よりずっと、優ちゃんを知っているような気がした。

そのことに気付き、もやもやは嫉妬であることを認めざるを得なかった。

その嫉妬の矛先は当然のように優ちゃんに向けられる。

私の感情は彼女にしか見せられないのだから。


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