今宵は天使と輪舞曲を。
――わたしは、彼女を知っているわ……。
メレディスは確信した。恐る恐る手を差し伸べると、彼女は自ら顔を擦り寄せた。
「ああ、神様。クイーン……本当に貴女なの?」
その問いに答えるかのように、牝馬は小さく鳴いた。
「ああ、クイーン!!」
メレディスは確信した途端に涙が堰を切って溢れるのを感じた。
「わたし、もう二度と会えないかと――。貴女を手放してしまって本当にごめんなさい……ごめんなさい。愚かなわたしを許して……」
もう立ってもいられなかった。
メレディスは顔を手で覆い、泣き崩れた。
崩れ落ち、謝罪するメレディスのことを彼女は許してくれているのだろう、また小さく鼻を鳴らし、唇を寄せて項垂れる頭に優しく触れてくれた。
どこまでも愛らしいクイーン。
メレディスはそんな彼女に頬を寄せ、涙を流した。
もう二度と会えることはないと思っていた。
妹のように大切にしていた彼女が今、自分の手の届くところにいる。こんなに嬉しいことが今まであっただろうか。
クイーンが小さく鳴く。
まるでまた再会出来て嬉しいと言ってくれているようだ。
「……わたしも大好きよ、クイーン。貴女を忘れた時なんてなかったわ」
メレディスは震える声でそっと打ち明けた。
「メレディス、これも受け取ってほしい」
今までずっとメレディスとクイーンの微笑ましい光景を見守っていた彼は静かに歩み寄った。
涙を流すメレディスに、ラファエルは小箱を差し出す。
一度クイーンから体を離し、差し出された小箱を受け取ると、中を開けた。