墜ちた羽根
家に帰った途端、雨が降り出した。
小雨ではなく土砂降りだった。
良いタイミングで返る事が出来て良かった。
特にする事もなかったし、恥ずかしさもなくなったから、
オウヤ君の部屋でベッドの端に座って本を読んだ。

オウヤ君が休むのには丁度良いかな、とも思った。
外に出ていて大丈夫だったから
多分変なのは出ないだろうし、何もしなくて済むから。
当の本人はピリピリしていた。

油断は出来ない、と言う事なのだろうか?
少しはリラックスをすれば良いのに、と思う。
言ってもそんな言葉が彼に通用するとは思えないが。

「オウヤ君」
「何だ」
「聞きたい事があったから、聞いて良い?」
< 65 / 117 >

この作品をシェア

pagetop