大江戸妖怪物語

「どおぉりやああああ!!!!!」

僕は素手で蜂の羽を殴った。すると蜂の羽は脆くも崩れ、散って行った。

残ったのは羽を失った蜂。

「とどめだ!轟火大紅蓮!!!!」

「残滅氷刃!!!」

僕と雪華が技を出す。蜂は炎と氷に身をたじろがせながら死んだ。パチパチパチ・・・と巨大蜂が焼ける音が響き、狼煙のような煙も上がった。

「あー・・・疲れた。まさか、こんな巨大蜂がいるなんて・・・」

「うむ・・・そうだな・・・」

雪華は何か気にかかるような話し方だった。

「先に進もう。こんなことをしていると、日が暮れてしまう」

僕と雪華は急いでその場所を去った。



――――――――


―――




「ふぅ~ん。なかなかやるみたいね」

すっかり火が消え、黒焦げの塊となった蜂の上に腰掛ける女。

「まさか、あそこまでの技の使い手だとは思わなかったわ。人間、見た目によらないのね」

女はよいしょ、と飛び降りると、巨大蜂の頭を蹴っ飛ばした。綺麗に首から上が捥ぎ取られ、体から首が分離して離れる。

「ほんっと使えない。雑魚、雑魚、雑魚。もう少し、けがの一つくらい負わせなさいよ」

すでに魂のない、抜け殻になった巨大蜂は何を思う。その黒い眼には何を映す。

「こんなんじゃあ終われない。山姥は、恐ろしい妖怪ですもの」

女はニヤリと笑うと、その場を後にした。

「さぁて、次はどんな手を使って殺そうか」


――――――――

――――
< 201 / 328 >

この作品をシェア

pagetop