大江戸妖怪物語


雪華「まったく、この人数で回せというほうがおかしい」

雪華はブツブツいいながら、皿を洗う。その動きは滑らかで、素早かった。僕が雪華の手を注視すると、どうやら妖力を使って大量に一気に洗っている。

・・・そのチートずるくない・・・?

神門「さっきさ、助けてくれてサンキューな。あのまま言ってたら、絶対吐いてたわ」

雪華「あ?ゲロられたら色々と終わりだろうが。ゲロられても迷惑だからな」

神門「う、うん・・・・」

雪華の凄味に圧倒される。

雪華「お前・・・絶対接客向いてないと思うぞ」

神門「や、やっぱり!?・・・今まで刀作って商売してたから・・・こういう商売は初めてだし・・・」

雪華は僕の前にグラスを差し出す。透明な液体がなみなみ入っている。

神門「・・・これ、日本酒?」

雪華「水だ」

僕は差し出された液体を飲む。確かにそれは水だった。

雪華「もし、酒を飲めと言われたら、とりあえず日本酒を頼め。私がすかさず水を持っていく」

せ、雪華・・・・・・

神門「雪華の優しさ・・・ありがたく受け取ります・・・」

雪華「うっさい。口はいいから手を動かせ」

そういって雪華は再度皿洗いを始めた。僕も洗浄された皿を一枚ずつ、布巾で拭いていく。
こういう、何気ない雪華の優しさって素敵だと思う。・・・まあ、根本的なところでは、閻魔王様のためっていうのがあるんだろうけど・・・。

とりあえず、そんなこんなで激動の一日は終わりを告げた。
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