大江戸妖怪物語
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??「・・・さーてとッ。どうも野犬が入り込んだみたいだネ~」

椅子の男が別の男に語りかける。

??「・・・・・・紅蓮神門、ですか」

もう一人の男は静かに答えた。

椅子に腰かけた少々陽気な男、桂木白羽。そして無口で冷静沈着な琉堂。

桂木「オレは1人とはいってないよ~?琉堂にとっては早とちりすぎない~?」

琉堂「他に挙げるとすると・・・、あの女。雪華ですか。あとは馨。俺的にはその三人ですが」

琉堂は桂木と視線を合わせることなく淡々と返事をする。

桂木「成る程、ね。それが君の予測ってことかな?」

ある種微笑んだままの桂木は、それはそれである意味ポーカーフェイスと呼んでもいいのだろう。まったく変わらぬ笑顔を琉堂の横顏に当て続ける。

桂木「彼らは・・・・・・あるいみ君の救世主でもあり・・・・・・・最大の敵なんだよ?・・・・・・世の中の、この理不尽さ、ね」

念を押すように桂木は語尾を少し強調した言い回しをした。しかし琉堂の表情も変わることもなかった。

桂木「・・・ハハッ・・・!この状況・・・オレはこういうのだーい好きだよ?いいか琉堂?あいつらはお前の敵だ。・・・・・・この意味をはき違えて変なことでもしてみたら」

琉堂「・・・・・・わかってますから」

桂木の言葉が終わる前に琉堂は答えた。まるで自分に言い聞かせるように。

琉堂「しかし・・・奴らが邪魔ならさっさと消してしまえばよいのでは?泳がせることもないでしょう」

書類を整理しながら琉堂は一点を見つめる。

桂木「・・・オレはね?彼らの真の目的を知りたいだけだよ♪・・・潰すのが早すぎるのはよくない。ゲロられる前に、死んでしまうからね」

にこやかに冷たく微笑む桂木。

桂木「野犬だか駄犬か。どちらにせよ、月桂樹の番犬と呼ばれるお前を信じてるよ。、オレは♪」

スルリと琉堂の肩に腕を伸ばす桂木。いつの間に距離を詰めたのだろう。それにも驚いていたが、琉堂はそれに素知らぬ顔で対応した。







琉堂「・・・どこの野犬か、はたまた場違いすぎる正義の味方か。・・・どちらにせよ、俺は奴らを葬る以外に道はないということだ」

桂木は何も言わず、満足そうな微笑みと人形のような冷たいまなざしで見つめていた。



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