大江戸妖怪物語
そして禁断の部屋の外へと僕らは出た。
雪華「それでは行こう・・・何があっても逃げろ。それだけだ・・・」
僕と雪華は別行動を開始した。
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黒龍「・・・人の声・・・聞こえる」
雪華と黒龍は月桂樹の出入り口付近に身を潜めた。ちょうど一人目の参加者が入ってきたところで、そのあとゾロゾロと続いて入ってくる。桂木らの姿は見えないものの、数人のホストが客の誘導を行っているらしい。
ホスト「はいはーい入って入ってー!!」
ホスト「月の宴へようこそ~」
男の招き入れる声と女の興奮する声が入り乱れる。二人は息を殺して音を聞く。おそらく最後の客が入ったのだろう。徐々ににぎわう声が店の奥へと向かう。
雪華は忍び足で客らが向かった通路を見る。最後の客の服の裾が向こうの廊下の角を曲がったのを確認した。
そのまま普段のフロアを通り過ぎ、ある扉の前に行きついた。その古びた扉・・・それはたしか物置だったと思う。
雪華(あの物置に、あんなにたくさんの人が入るスペースなどないはず・・・?)
しかし詰まる様子もなくスムーズに全員物置の中に入ってしまった。雪華と黒龍は周りに誰もいないことを確認して物置の扉の取っ手を握った。
黒龍「・・・ここ、あんなに広くないよね・・・」
開こうと、黒龍がそう呟いた時だった。
ホスト「さーて、今のお客さんが最後かなー。俺らも入るかー」
雪華「!?」
その音は後ろから聞こえてきた。
雪華「・・・マズイ。まだ全員入っていなかったようだ」
黒龍「・・・これって・・・チャンス??」
雪華「ピンチだ馬鹿者!!」
慌てて辺りを見回す。
ホスト「楽しみだなー」
ホストはおそらく二人いる。まずい、まずい。