大江戸妖怪物語
闇雲に雪華たちを探す。すると花瓶の裏に隠れている雪華を発見した。
神門「雪華!!黒龍!!」
二人に手を振りながら近づいた。
雪華「声を殺せこのバカ!!」
雪華に思い切り頭を引っ叩かれる。
黒龍「・・・それで・・・?桂木の部屋は・・・・・・探せた??」
神門「・・・それが・・・・・・」
僕は雪華たちに先ほどのことを伝えた。
雪華「・・・なるほど。つまり、琉堂からどうにかして鍵を奪わなければなるまいな」
神門「それで・・・表の入り口を閉めたら、おそらく琉堂はここに来ると思う。その一瞬の間に入れないかな」
かなりの賭けだ。あの琉堂も隙をついて中に潜入する。あの琉堂にそれが通用するのか。
コッコッコッ・・・・・・
廊下の奥のほうから足音が響いてくる。・・・琉堂だ。
三人は花瓶の裏に隠れ息を殺す。そして琉堂は扉を開け、中に入った。
雪華「・・・黒龍!いまだ!!」
黒龍は琉堂が扉から消えた瞬間、何かをシュンッと手裏剣のように射し込んだ。よく見ると、それは鱗。
黒龍「鱗剥がすのは痛くない・・・だいじょぶ・・・・・・」
これで中に入ることができる。すぐに僕ら三人は扉をすかさず開けて中に入った。
・・・そこには。
神門「ここが・・・月の宴・・・・・・・??」
物置の扉から打って変るような広々とした暗がりな部屋。大きなシャンデリアが妖しく照らしており、“月”というよりか“闇”に近いような光景が広がっていた。
僕らは扉を入ったすぐ横のカーテンに身を隠す。
踊り、酒を飲む女たちと女を褒め称え喜ばせる男。桂木は遠くで椅子に座ってその光景をじっと眺めていた。
雪華「・・・どうやら、物置の中に結界を貼り、異世界を作っているのだろう・・・。ここは、この世であってこの世でない・・・。なんとも恐ろしい場所だ・・・」
琉堂はあたりを見回している。常に周りに気を配っているらしい。中はBGMが大きく演奏しているため、遠くの音は聞きずらそうだ。
琉堂の近くにグラスを持ちながら女が歩いてきた。
神門「あれ?彼女は・・・・・・」
それはさきほど、聡さんと一緒にいたときにいた女性。井埜に対して『私も月の宴に行きたい~』と言っていた女性だった。
雪華「・・・すまん」
雪華は呟くとその女性に向かって妖術を放った。