愛してる?...たぶん。
えっと…僕の記憶が正しければ、彼女は2年前に卒業してるはずで、その時、僕は先生として他の生徒達同様、彼女の門出を祝ったはずで、そんな彼女が制服を着て学校に居るなんてあり得ないことで。



でも、ベージュのカーディガンにエンジ色のリボン。グレーのスカートという我が校指定の制服を着ているのは間違いなく彼女で。



…………うん。とりあえず、ここにいるのは危険だ。



「………和久井」



「もう、なんでもいいからこの状況どーにかして!!浅野が来たらマジヤバ…」



「………ゴメン!!」



「ふえ!?」



半泣き状態の和久井の肩をポンッと叩いた僕は、クルリと踵を返した。

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