靴磨き
「ほう、キャバクラですか?」

「お客さん、キャバクラで働いているコっていうのはね、みんな真面目なイイコなんですよ」

「フム……」

「生活に困って、働いている。お金を貯めて、家族に送っているコが殆どなんです。テレビの深夜番組なんかで、若い子がファッション感覚でキャバクラに憧れる風なことをやっていたみたいですが、あれはごく一部なんですよ」

「そうなんですか」

「実は、僕は大概、イイ加減に生きてきて、気が付けば店長やってたんです。勿論、雇われですけど。だからそのコ達の身の上話を色々と聞くんです。そしたら、なんだか全部、自分にこう、来ちゃって……。僕はいったい何やってんだろうなーって思うようになったんです」

「へえー」

 私の靴が、彼の力でみるみると輝きを取り戻しているいく。
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