先輩とあたしと苺オレと(仮)
少し茶色っぽい髪。
くるっとした睫毛に、二重の焦げ茶色の目。
すっと筋の通った鼻。
薄いピンク色の唇。
ふんわりとした空気が先輩を纏っている。
先輩、かっこよすぎです。
こんな優しくてかっこいい人なんて、あたし先輩しか知らないです。
「…ありがとうございます」
「どういたしまして」
苺オレをあたしの手にのせる先輩はやっぱりふんわり笑っていた。
「じゃあ、行くね」
そう言って背中を向けて歩きだした先輩。
引き止めてしまいたいけど、そんなことできないよ。
「莉央、いたっ!」
先輩の背中を見つめていたあたしはハッとした。
くるっとふりかえると奈津子がいた。
「莉央、遅いから心配したんだよ」
ごめん、奈津子。
奈津子のこと少しだけ、忘れてたよ。
「ごめん」
いろんな意味をこめて謝る。