花×花


「夏女くん待って‥私き、キスなんてしてないよっ」

「嘘つき」

「嘘じゃないよっ」


好きな人に疑われるのってこんなに辛いんだ。悲しい。胸がぎゅーってなって


「っ、泣くなよ‥」

「何で信じてくれないの‥?」

「‥‥それは、兄貴が――」

「してないったらぁ!」

「分かった分かった!分かったから、、頼む‥泣くな」


私の頬に夏女くんの手が流れる。

「はあ……本当にお前、やだ」

夏女くんを見上げると

「……可愛いすぎて、困る‥」

頬を桜色に染めて、何とも恥ずかしげに、それでいて妖艶な甘いマスクで


「……好きだ」


って。


< 123 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop