花×花
「夏女くん待って‥私き、キスなんてしてないよっ」
「嘘つき」
「嘘じゃないよっ」
好きな人に疑われるのってこんなに辛いんだ。悲しい。胸がぎゅーってなって
「っ、泣くなよ‥」
「何で信じてくれないの‥?」
「‥‥それは、兄貴が――」
「してないったらぁ!」
「分かった分かった!分かったから、、頼む‥泣くな」
私の頬に夏女くんの手が流れる。
「はあ……本当にお前、やだ」
夏女くんを見上げると
「……可愛いすぎて、困る‥」
頬を桜色に染めて、何とも恥ずかしげに、それでいて妖艶な甘いマスクで
「……好きだ」
って。