空耳此方-ソラミミコナタ-
「はい。後ろからで振り返ることも出来ないままでした。
でも、私より大きな人でした」
まだ少しわかることがあるだけマシか。
これまでの情報を整理すると言乃を襲ったのは
人間
男
それなりに身長がある
「……ってこれほとんどのやつに当てはまるじゃねーか!!」
うがーと頭をかきむしる炯斗。
「今のままじゃ情報が少なすぎるね…」
「克己さんの一件とは関係あるのでしょうか……」
うーん…と考え込む三人。
「とにかくさ、傷害事件だからともちーに報告しておこうぜ。このことは一旦置いといて……」
言葉を濁し、ひきつった視線をドアの方へやる。
言乃もそれに倣う。
位置的にドアを背に座る恵は不思議そうに二人を見た。
そして、内心で首を傾げつつ振り返ると――
「ひゃぁぁあ!!」
ガタン!
痛い。椅子から落ちた恵。
しかしその目線はドアの正面に注がれていた。
「あ……あわわ……」
開いた口が塞がらない。
だって―――あり得ない
そんな…こ、これは…
「お……お化けぇーッ!!」