空耳此方-ソラミミコナタ-
恵の目の前には、一人女性が立って――いや、浮かんでいた。


色白の肌に長いウェーブの茶髪。
儚げで綺麗だ。

何度目を擦って見直しても、長いワンピースの先にあるはずの足がグラデーションのように消えていることと、全体的に透けて見えるのは変わらなかった。


しかし、そんなことは慣れている二人の反応はあっさりしたものだった。

「お化けですか…ま、あながち間違ってはいませんね」

「でも、面と向かって言える人もなかなかいないと思うぜ?」

「そんな楽しそうに言わないでよ!」

その女性は、ぼうとして首をひねった。

『貴方たちには……私が見えるのですか?』

「ええ」

「おう」

「は…はい」

三者三様に頷くと、彼女は一人ひとりの顔を見つめる。


『不思議、ですね。ここで私を見ることができる人は誰一人といなかったというのに……一度に三人までもとは』

「違いますよ! ここの二人が異常なんですよ! 私街中で会ってもわかりませんからね!」

二人を指し恵が必死に言うと、彼女はスッと目を細めた。


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