空耳此方-ソラミミコナタ-
透は玲子に口付けたまま体をずらし、玲子の隣に寄せた。
伸ばして露わになる首筋。
唇で撫でるように顔を下げると、今度はそこに顔を埋める。
「……っ…と…おる…っ」
顔を真っ赤にして、耐えるように眉根をぎゅっと寄せる。
そんな玲子の口元には、透明な液体が伝って落ちていく。
ゴクリと喉を鳴らして、顎を伝う様を見つめる克己。
いつの間にか、自分の体すらも熱い。
透が離れると、玲子の服の胸元は大きく肌蹴ていた。
白い肌の中にいくつもの小さく赤い痕が残っているのが、ここからでもよくわかる。
その赤い痕。
それを見た途端に克己の中で炎が湧き上がった。
その炎は克己の奥を熱く焼き焦がす。
……玲子、姉ちゃん……
今行くべきか、否か。
どうしても迷った。
何をしているんだ?
考えるまでもないだろう?
克己はしっかりと決意を固めて、顔を上げる。
「っ!!」
しかし、その考えている間にも行為は進んでいた。
もはや現れているのは肌だけではない。
成長した女性の象徴、豊かな胸。
その禁域に今にも触れようとしているその手──
まだ…
あと少し…
ほんの少し……
触れる───!
克己はその場に背中を向けて走りだした。
ザリッ!!
しまった、砂利の音が──と思った時にはもう、洞窟の入り口は遠い後ろに消えようとしていた。