片戀
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どれくらい時間が経っただろうか。少し落ち着いてきた私は、無意識に掴んでいた彼の服を離した。綺麗にアイロンされていたであろうシャツは、私が掴んでいたところだけくしゃくしゃになっていた。
ごめんなさい、急に、と謝り彼から離れる。もう帰りますね、と言って立ち去ろうとした私を、あの、と、彼は呼び止めた。
送っていきます、と、私の車椅子を押し始める。そして、言うタイミング逃してたんですけど、僕は拓の従兄弟です、と、私にとって衝撃的なことを云った。だから僕、結婚式で星さんのこと見ました。幸せそうな夫婦だったから、今でも幸せなんだろう思ってたんですけどね、と彼は続ける。今の私は、幸せには見えないのだろうか。やはり、彼も拓はもうこの世にはいないと思っているのだろうか。
どれくらい時間が経っただろうか。少し落ち着いてきた私は、無意識に掴んでいた彼の服を離した。綺麗にアイロンされていたであろうシャツは、私が掴んでいたところだけくしゃくしゃになっていた。
ごめんなさい、急に、と謝り彼から離れる。もう帰りますね、と言って立ち去ろうとした私を、あの、と、彼は呼び止めた。
送っていきます、と、私の車椅子を押し始める。そして、言うタイミング逃してたんですけど、僕は拓の従兄弟です、と、私にとって衝撃的なことを云った。だから僕、結婚式で星さんのこと見ました。幸せそうな夫婦だったから、今でも幸せなんだろう思ってたんですけどね、と彼は続ける。今の私は、幸せには見えないのだろうか。やはり、彼も拓はもうこの世にはいないと思っているのだろうか。