本と私と魔法使い
ひっ、と私は叫ぶ代わりに息を吸い込んだ。

「現れましたね…‼
サリサの意思に呑み込まれた化ケ物…‼」

女はよくわからない言葉を漏らしながら息をしていた。皮膚がひび割れて、陶器のようになっている。虚ろな目をこちらに向けた。

本当に化ケ物だ。

「ー…」

声じゃない、耳をつんざくような音を放ちながら女が襲ってきた。

「守護魔法、α」


アイリスは女に手を向け、叫んだ。


キイィィイン
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