本と私と魔法使い
甲高い音がして、透明の光がまわりを包み、女を弾いた。

「私は王子と千亜を呼んで来ます、"アイリスの名において命ずる、汝を守護せよ"」

アイリスが私のブレスレットに手をかざして唱えると、パンッとはじけた光が一種灯って消えた。

「私の力を少し引き渡しましたから守ってくれるかと、では」

アイリスは和泉たちを呼びに行ってくれた。

「ァアア…ッ」

女は尚もこちらに向ってこようとした。私はせめてと、睨みあげた。
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