本と私と魔法使い
―…

「家、着いたね」

私は和泉に話しかけた。帰り道、当たり前だけど全く会話は弾まなかった。

「和泉ー?」

目の前の和泉は全く反応しない。

「大丈夫?」

私は何の気なしに、とんと軽く肩を叩いた。

「ぃ、…痛ッ!!」


和泉は痛そうにうずくまった。もしかして、


「あの時、本棚から庇ったせい?…見せて」

私は部屋に救急箱を用意して、見せてもらう。

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