みーとそーすの恋愛事情
へんか
次の日の昼休み、私は愛海と一緒に図書室で資料を探していた
「ごめんね愛海、今回はさすがに一人じゃ時間無くて…」
「全然!だって美依のためだし!…でもこれ委員の仕事だよね?」
「そうだよ?」
「奏輔も委員じゃん」
「…あ」
「完全に忘れられてるね…。昨日話したんでしょ?」
「そうだけど…。なんか頼めなくて…」
「まぁいいよ、最近私もあんまり美依と一緒に居られなかったし。でも美依もさすがに奏輔のこと頼ってあげなよ」
「なんで?」
「…え?気づいてないの?嘘でしょっ」
愛海が叫んだので他の生徒が一斉にこっちを見た
「あ、すいません…。美依、本当に?」
「何の話?」
「そっか…じゃあいいや」
「えー!?何ー?」
「奏輔も苦労するな、これだと」
と言うと愛海は何かに気づいて
「…あ、来た来た。噂をすれば!じゃあ私はこれで!ばいばい!」
「えっ!?愛海!?待ってよー…行っちゃった」
すると愛海と入れ違いになるように奏輔が図書室に入ってきた
「あれ、田宮さんだ。何やってんの?」
美依は何かが胸の中に広がるのを感じた
「高崎君こそどうしたの…?」
「あぁ、ちょっと本返しに来たんだよね」
「本?何借りたの?」
「えっと…『手芸の基礎から応用まで!この本読むと何でも作れるようにになる手芸大百科』…だって。」
あまりにも必死に読む姿が面白くて美依は
「あはは!なにその題名!嘘っぽいー!」
「えっ!?そうなの!?だって裁縫とか出来ないんだよ」
「へぇ、不器用なんだね。」
高崎君のことをまたひとつ知ることができて嬉しかった。
「それじゃ頑張ってね」
「え?田宮さんやってくれるんじゃないの?」
「な、何で私!?」