線香花火【完結】
「ふーん」興味のなさそうに返事をする日向。その時、俺はダメだと思った。
「はい、たか」さっきより冷たい声で線香花火を渡してくる日向。
「ありがとう」俺は線香花火を見つめた。
「たかは、線香花火のおまじない知ってる?」日向は線香花火を見ながら話す。俺はそんな日向を見つめた。
「知らない」
「願い事を言って火が消える前にこよりが落ちなかったらいつか願い事が叶うんだって」
いつか?いつかじゃ足りないんだ。今すぐ叶えたい。
君に想いを伝えたい。彼女になってほしい。
日向……俺は日向が好きなんだよ。
もう口からすぐ出てしまいそうなのに…出てこない。