Tolie.
ゆっくり私の横に座ると
龍一は小さな舌打ちをして
部屋から出て行った。
彼が窓の外を通り過ぎたのを
確認して、一輝はベッドに座りなおす。
「 ・・・・なに、考えてんの? 」
俯いた私の視界には、一輝の
手が映っていて、私と同じように
一輝も視線を落としていた。
「 リカに申し訳ないとか、そういうの? 」
・・・・・・・申し訳ない?
「 リカは死ぬほど辛い思いしたのに
自分は現実から逃げて龍を受け入れて?
そんなことグルグル考えてんの? 」
二人の過去の話を聞いたあと
どうしようもなく”怖い”と思った。
自分も同じようになるんじゃないか、って。
同情なんて、レベルじゃない。
私が想像する私の中の”リカ”は
”私”でしかない。