Tolie.

逃走





ひんやり、額に冷たい感覚。




「 ・・・悪い。起こした 」




うっすら目を開けると
彼は小さく謝って私に手を伸ばした。




「 大丈夫か? 」


「 ん? 」


「 目、赤いけど 」




・・・・さっき、いっぱい泣いたから。
彼の手が私の額にのっていた
タオルを退かした。




「 熱あんのかと思った 」




一瞬困ったような顔をした彼に
”大丈夫”って笑うと、彼は
ゆっくり立ち上がった。






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