Tolie.
「 だから、アゲハとかツバサとか
そういう名前になったんだよ 」
言葉を見失った私を見て
一輝は悲しそうに、顔を歪めた。
「 翼なんか折れたって足が
あるじゃん 」
”歩けよ?”
私の頭をポンッと叩くと
一輝はゆっくり立ち上がって
大きく伸びをした。
「 時間は、かかる。その間に傷は
治るだろうけど、治ったときが
本当の”始まり”だと思う 」
「 ・・・どういう意味? 」
一輝は私に背中を向けたまま
その理由を教えてくれなかった。