短編集


気楽にって。

まぁ暁君に何か言われたらやればいっか。

「あーあとさ、日曜日暇?」

「ん?なんで?」

「副委員長を押しつけたおわびがしたい」

おわびってほど大げさなものでもない気が。

「暇だけど?」

「じゃさどっか出かけね?」

「いいよ。どこ行く?」

「んー遊園地とか映画館とか、なんか行きたいところないのか?」

「『ゆうえんち』?」

「え、依紗那知らないの!?」

「うん。」

「遊園地決定だな。うん。あれを知らないのは損してる」

そんないいものなのかな?『ゆうえんち』って。

あの両親は連れていってくれなかったけど。

「決定でいいか?」

「うん。」

「よし。ケータイあるか?連絡先交換しようぜ」

「いいけど、ケータイ教室。」

「そっか、じゃ帰りでいいか」

話はここで終わった。

理由は二つ。

二人とも食べ終わったことと、昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴ったから。
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