短編集
カツ定食を持ち、一番空いている窓際の席についた。
いつもこの席の周りには人がいない。
ちなみに学食は学校の最上階にあるというなかなか珍しい学校らしい。
だからこの席はなかなか日当たりがよく眺めも良いから良い席だと思うんだけど。
そんな考えをしながら、カツ定食を食べようとしたとき、
「隣良いか?」
と声をかけられた。
もう声だけで判断できるようになった彼の声。
暁君だ。
「うん。」
「サンキュー」
暁君は塩ラーメン持っていた。
彼が隣に座るのを見てから定食を食べ始める。
「依紗那って意外にたくさん食べるんだな」
「そう?」
「普通の女子よりはかな?」
「そうなんだ。」
私は話をつなげるのが苦手。
一言でしか返さないから。
黙々とカツやらサラダやらごはんやら食べると、
「副委員長なんか無理やりぽくなってすまんな」
「ん?気にしなくていいよ?」
「そういってくれるとありがたいぜ」
「でも何やっていいかわからない。」
副委員長なのはいいんだけど仕事とかさっぱりわからない。
「あーそうか。でも仕事があるときは俺が教えるから基本大丈夫だと思うぜ?」
「そう。」