短編集
と、次から次へと俺の生活やら何やらのことで質問責めにあい、俺の答えはあまり面白いものでもないはずだったが、それでも桜は、興味津々で一度も退屈そうにしていないで聞いてくれた。
すると時間はあっという間に過ぎていたらしく、桜の母さんが扉をあけた。
「夕食の支度できたよ。こっち持ってこようか?」
「ううん。今日は下で食べるよ。御幸もいるしね」
「んじゃ行こうか」
桜は体が不自由とあって、いつも食事はこのベッドの上で食べているらしい。もしかしたら、一日を通してベッドから降りることは、ほとんどないのかもしれない。
「ちょお母さん私をおいてかないでよ」
「あら?御幸さんに下まで下ろしてもらうんじゃないの?」
「なっ!?」
「何言ってんの!?無理無理無理!恥ずいから!」
桜の母さんは桜のように小悪魔的な微笑みをしながら俺と桜を眺めていた。顔が暑くなるのを感じながら、桜のあの小悪魔スマイルは、きっと母からの伝わったんだなーと、場違いなことを考えたりしてみる。桜は相変わらず顔を真っ赤にしてなにやら叫んでいるが。
「はいはい。わかりましたよー」
「まったくー」